織田信長に仕えた森蘭丸(もりらんまる)は、小姓の中でも特に信長に可愛がられたことで有名であります。森蘭丸が可愛がられた理由としては、気配り、心配りが行き届いた人物であったためであるなどと言われております。「備前老人物語」には逸話が残っているそうで、信長が支えている者たちに声をかけると一人の小姓がやってきて、信長の用件を聞こうとするのですが、信長は何も言わずにただ下がれという合図を出したそうです。また時間をおいて再び信長が小姓を呼びだし小姓の一人が現れますが、同じように何も告げずに下がれと伝えたそうです。そして3人目の小姓にも誰か近くにおらぬかなどと声をかけ、小姓がやってくると信長は無言のまま小姓に用事を伝えなかったため、小姓はそのまま信長の前から下がったようですが部屋を出る際、3人目の小姓は部屋に落ちていた枯葉をそっと拾って退室したといいます。この小姓こそが森蘭丸であったなどという逸話が残っているそうです。